佐藤忠雄 プロフィール

 1959年、長野県出身。1980年、グラフィックアート制作の活動を開始。同時に、自然・動物・鳥などのモチーフを中心にしたオリジナル作品の制作を始める。1996年、アート、クラフト、イラストレーション制作会社有限会社ブラストを設立。後フリーで活動。

「豊かな自然に恵まれた地で土と戯れ、水に遊び、山で冒険する日々を過ごしました。

都会に居を構えて久しいが、今でもかけがえのない自然、その美しい情景とそこに寄り添いながら生きる野生の命を見つめることによって作品を生み出しています。

フィールドから受け取ったメッセージを私の中のフィルターを通してわかりやすく美しく表現することを心がけ、ご覧頂いただく方に癒しの空間を届けられたらと思っています。」


『木彩』について①

 建築材や家具などに使用するには不向きな木、木目が不規則であったり節があったり、しかしそんな木には独特の景色、すなわち「杢」が刻まれています。長い年月を様々な自然環境に耐えたことにより刻まれたその痕跡は、変化に富み人間には創造することのできない景色として現れます。そしてそれは温もりのある美しい情景に私は見えます。そんな素材の景色を生かしつつ、新たに自然と共に生きる動物たち、花や魚,鳥,昆虫などを直に描くことにより、独特の空間を再構築したものです。

 かけがえのない自然との共生に思いを馳せながら制作しています。そして木を彩る、で「木彩」(モクサイ)としました。



『木彩』について②

 装飾的・美術的に希少性が高く、変化に富んだ木目は「杢目(モクメ)」や「杢(モク)」と呼ばれている。佐藤氏が選ぶ、素材となる木は全て屋久杉や大変美しい「杢目(モクメ)」を持つ希少品である。
 樹齢1000年をも超える木に描くのは、水中や水辺に生きる動植物の自然の生態系。描いてある水草や魚のヒレ・模様まで細かく追っていくと、どこの地方の川か限定ができるほどだという。まさにアクアリウムさながらの生きた自然の世界観は、『杢(モク)アリウム』と表現して良いだろう。
 木が持つ本来の「杢目(モクメ)」を「水のきらめき」「水の流れ」に見立て、作品と一体化させて描く技法は佐藤忠雄独自のものである。
 素材選びからやすりがけ、下描き、着彩、仕上げ。全ての手作業を一貫して一人で行うため、年間で描きあげることのできる作品も多くはない。



略歴

1980年 広告・パッケイジ等グラフィックアートの制作を始める。同時に身近な自然と共に共生する生き物たちをモチーフにしたオリジナル絵画の制作を始める
第一回日本グラフィック展入選
1994年 銀座サエグサ画廊にてグループ展
1996年 絵画、イラスト制作会社、有限会社ブラスト設立
1998年 「木彩」アートの制作を始める
2001年 銀座カトレアにて個展
2002年 石川県・北村英山堂(九谷焼)にて個展
2003年 ジャパンバードフェティバル ワイルドライフアート展にてコーワプロミナー賞
2004年 モンベルクラブ渋谷店サロンにてIWSグループ展
2006年 銀座田中ホールにてワイルドライフを描く展
フリーで活動(アート工房ブラスト)
2007年 大阪市立環境学習センターいきいき地球館にてGIOアートワークスによる10周年記念特別展
2008年 神戸市立青少年科学館(G8環境大臣会議関連)にてGIOアートワークスによる企画展
丸善丸の内本店にて個展
2009年 丸善丸の内本店にて二人展
丸善日本橋店にて個展
アメリカ・レイ・ヨーキー・ウッドソン美術館主催「バード・イン・アート」展入選
2010年 横浜高島屋「木のしごと・木のカタチ」展参加
東急百貨店本店にて「木彩画アート展」
10カ国大使夫人のガーデニング イン オークラ併設イベント ボタニカルアート展コンテンポラリーネイチャーアートに参加
木彩画カレンダー(西垣林業)
アメリカCresta International Advertising Awards DIRECT MARKETING WINNERS
第61回全国カレンダー展 日本印刷産業連合会会長賞
葛西臨海水族園、種ラベル画の制作、以後毎年
2011年 京都水族館エントランス及び貴賓室ディスプレイ用「木彩」作品制作
2014年 IOC国際鳥類学会議 会場にてアート展参加
その他 グループ展・企画展多数・産業広告賞受賞多数(イラスト担当)